2013.05.15「インドのグラフィック」
2日つづけてインドのおみやげいただいた。ティーマサラとガラムマサラ。すごく嬉しい。早く開封してクンクンしたい。
いや、ちょっと待て。その前に!このデザイン。私の知ってるインドじゃないぞ。
「私の知ってる」って言ったって、私はインドに行ったことがないので、正確に言えば「ずっと昔、親友がインドを放浪して帰ってきておみやげをもらった時」のことを指していて、それは20年前ってことです。
鶏用や魚用、海老用などのスパイスミックスが入っていた小箱は、どれもちょっと妖しげにくすんだピンクだったり黄色だったり、ざらざらした感じの安っぽい厚紙で出来ていた。その表面にタイポグラフィーとは言いにくいような可愛らしいけど幼稚な文字で「shrimp masala」とか踊ってた。
ほとんど箱の角という角はつぶれていたなあ。シワシワってつぶれていた。そのせいか、思わず製造年月日を確かめたくなるような「挽いてらから時間がすごーく立ってるぞー」的なムードに満ちていたのだけど、実際に料理に使ってみたら、その香りの奥のほうに幾つもの見知らぬドアがあって、フーッとどこかへ旅立っていけそうなインパクトがありました。挽きたてだったらどうなっちゃうのと想像して、嬉しくなるより気が遠くなったっけな。
そう、パッケージの話でした。モダンになったなあ、と。
インドの発展を思えば、きっともっとバリバリにデザインされてるパッケージだってあっても不思議じゃないけど、空白の20年なのでびっくりしてしまったのです。
日本でも聞くようにインドのグラフィックデザイナーたちもふと言ったりするのかな。
「印刷技術が進んじゃったからさー、もう昔みたいなチープな感じが出せないんだよねー」などと。
確かにあの頃のローテクなパッケージ、よかったな。皮膚感覚があるような。
でも、新しいこっちのもいい感じだなあと思う。気持ちをこめたほどのよさとでもいうのか、新しい素朴とでもいうのか。好きです。
さて開けてみよう。おみやげのスパイス。20年前はまだ料理人未満だったけど、そのぶん野蛮な嗅覚が新しい獲物をつかまえたみたいに開けたおみやげのスパイス。今だってそんなフレッシュな気持ちがちゃんとありますようにとゼロの国の神様にお願いしてみるね。